【有馬記念】"気力充実"ペルーサ「まず完壁」
午前4時の美浦トレセン。寒暖計は0度を示していた。手先がしびれるような寒さの中、ペルーサは堂々とした脚取りで坂路下の角馬場に現れた。カクテル光線に栗毛が鮮やかに浮かび上がる。トモ(後肢)の張りもうっとりするような素晴らしさだ。「せっかく朝早く起きたのだから、馬体を見ていってよ」と報道陣に声を掛けた藤沢和師。有馬記念3勝の名調教師にとっても自慢したくなる仕上がりなのだ。
坂路1本目は4F64秒9と小手調べ程度。2本目が本番だ。外ラチ沿いを軽快なスピードで上がっていく。コンディションは最高だ、もっと走らせろ。そんなペルーサの声が聞こえそうな気合の発散ぶりだ。だが気持ちがピークを迎える寸前で鞍上は手綱を緩めた。4F54秒3、1F13秒2。闘志がレースで最高潮となるような絶妙のさじ加減。期待の3歳馬は最高の形で前日追いを終えた。
「元気いいね、ウン」。冷え切った体をコーンスープで温めながら指揮官は切り出した。「いい馬になったよ。秋初戦(毎日王冠5着)の頃と比べると体つきが随分と良くなったと思わないか。それと比例して気持ちの面も成長しているんだ」。これは競走馬にとって典型的な走る循環に入ったことを示す。体つきが良くなって調教が苦にならなくなり、気持ちが落ち着く。そこで食欲も増し、さらにパワーアップする。ゲートにばかり注目が集まるその陰で、ペルーサは着々と地力を強化させていたのだ。
坂路の頂上から戻った同馬はネオレボルーションとウォンビーロングを引き連れ、威張るように角馬場を歩いた。「スタートのことも馬は分かってきた。ゲート練習はもう必要ないという雰囲気を出している。まず完璧だと思うよ。こんなに精神状態がいいんだから」。ゲート練習とパワーアップという両立が困難な課題をペルーサは見事に消化しきった。答えはグランプリで見せる。馬の目がそう語っているようだった。スポニチ 12/26
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