イギリスの諺にこんなのがあります。
「子供が生まれたら犬を飼いなさい。
子供が赤ん坊の時、子供の良き守り手となるでしょう。
子供が幼年期の時、子供の良き遊び相手となるでしょう。
子供が少年期の時、子供の良き理解者となるでしょう。
そして子供がおとなになった時、
自らの死をもって子供に命の尊さを 教えるでしょう。」
職業柄、ペットのいろんな死に目に遭う。
延命して延命して延命して闘病生活の果てに管をたくさん通されたままで虹の橋を渡る子。
苦しいのが続くのはかわいそうだからと安楽死を懇願されて虹の橋を渡る子。
寿命を受け入れた家族のもとで見守られて虹の橋を渡る子。
家族に見放されて保健所で苦しい思いをして虹の橋を渡る子。
突然山の中においてきぼりにされて、寒くてひもじい思いをして虹の橋を渡る子。
家族と思った人間に虐待されて虹の橋を渡ってしまう子。
人間と触れ合ったこともなく暖かい毛布もくつろげる絨毯も知らずに、
業者にケージの中にとじこめられたっきり虹の橋を渡ってしまう子。
通り魔のような人間に切り刻まれて虹の橋を渡ってしまう子も。
メイちゃんは幸せだ。
暖かい家の中で一緒に暮らしてきた家族に見守られて、虹の橋を渡って行った。
子供たちの心の中には耐えがたい喪失感を与えることになったけど、
悲しい別れを経験した子供たちは命の大切さを強く心に刻みつけてやさしい子たちに育つでしょう。
この諺に日本で派生した続きがあります。
「子供が生まれなければ猫を飼いなさい。
猫が赤ん坊の時、あなたは猫の良きしもべとなるでしょう。
猫が幼年期の時、あなたは猫の良きしもべであるでしょう。
猫が少年期の時、あなたは猫の良きしもべでいるでしょう。
猫がおとなになった時、あなたはやはり猫の良きしもべのままでしょう。
そして、いつかその時、猫は自らの死をもってあなたの心に猫型の穴を開けるでしょう。
その穴を埋めるには、また猫を飼うしかありません。」
愛情を注いだ分だけ、大きく深い穴になる。
犬型の穴も猫型の穴も同じだと思う。
うちには猫が5匹います。
今まで3匹の猫を見送りました。
8歳まで虐待され続けて、うちに迎えて2年で癌を発症して
最後ワタシの足を枕に亡くなったディーナ。
手のひらに乗る奇形だった乳飲み子。
毎日こっそり職場に連れて行ってミルクを飲ませていたけど力及ばず
連日の育猫で疲れて寝入ったワタシのそばでひっそりと冷たくなってました。
朝まで元気だったのに、家に帰った時には冷たくなっていたはにぞう。
あのときはわけがわからず泣き明かしました。
動物は人より先に死んでしまうものだけど、
それでも気持ちはついていかないもの。
残された人間は、うちにきて幸せだったのかな・・・?と思うものだけど、
そう思ってもらえる人間のもとで飼われていること自体がその子はとても幸せだった証。
ご冥福を心からお祈りします。