松井みどりさんのひとり公演、「人間椅子」を見てきました。
こういった公演は初めてでしたが、
おもしろかった。
wikiのあらすじから抜粋すると・・・
「とある洋館に住む作家の佳子は、毎朝夫の登庁を見送った後、書斎に籠もり、ファンレターに目を通してから創作にとりかかることが日課だった。ある日、「私」から1通の手紙が届く。それは「私」の犯した罪悪の告白だった。
椅子専門の家具職人である「私」は、自分の作った椅子にどのような人が座り、どのような屋敷に置かれるのだろう、と妄想に耽っていた。椅子と一緒にいたい気持ちから、納品前の椅子の底に出入り口の蓋を作り、椅子の中に入りこんだ。「私」が入り込んだままの椅子は、市内で外人が経営するホテルのラウンジに運び込まれる。」
「私」は当初の予定ではホテルで盗みを働こうと思っているわけですが、
外国の若き乙女が「私」入りの椅子に腰掛けたことで、
一気に倒錯の世界にのめりこんでいきます。
椅子の皮一枚を隔てたかすかな触覚、嗅覚をたよりに生々しいまでの妄想を抱く「私」
その「私」の欲望はいつしか日本人女性との触れ合いへと向けられます。
そんな折、椅子はホテルから競売に出され、とある洋館へと引き取られる事になります。
ここから物語りはクライマックスに。
松井さんが「佳子」に扮し、「私」からの手紙を読み進めていく形で進められたこの舞台、
激しい動きもなく、登場人物もひとりだけ、なのに引き込まれました。
徐々に「佳子」を襲う恐怖心、嫌悪感と、高まり行く「私」の恍惚と陶酔していく様子がつづられた手紙。
そして「佳子」が今腰掛けている椅子こそが「私」入りの椅子だという驚愕の事実。
「奥様、一生のお願いでございます
たった一度、私にお会いくださるわけには参らぬでしょうか」
んで、衝撃のラスト!
(ラストが知りたい方は続きを読んでね)
飽きさせないというか、あっという間の1時間でした。
舞台裏の方ともお話する機会があったのですが、
ジャンルは違えどやっぱり舞台っていうのはいいなぁ?としみじみ。
舞台裏の方々ってのは職人さんなんですよねぇ。
そしてその職人さんがいないと成り立たないんですよねぇ。
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ここからは人間椅子のラストシーンです。
ネタバレ注意よ。
さんざん「私」は「佳子」をおびえさせ、
「佳子」が落ち着きを取り戻そうと次の手紙を開くと、
先ほどの自分が考えた小説の原稿はいかがでしたか?とオチが。
ホントに小説のネタだったのか、
ホントは「私」が存在したのじゃないかとか、
ホントは洋館の女中や主人がいたずらでやったんじゃないのかとか、
ホントはストーカーがやったんじゃないのかとか、
いろいろ想像が膨らませられるラストシーンでした。